南三陸の人々のいとなみは、山里川海のつながりの環の中にあります。この町に降り注ぐほぼすべての雨が、山のいただきから川を伝って志津川湾に流れこみます。川は、ひとの生きざまのように、山から、やがて海へとたどりつくのです。分水嶺を形成する南三陸の山、川、海は、わたしたちの暮らしを映す鏡でもあります。この豊かな海と山から、わたしたちは多大な恩恵を受けてきました。陸(おか)に住むひとびとの暮らしのありようは、やがて養殖の海へも影響を与えます。山里川海の連続性の中で、南三陸の人々の暮らしが維持されてきたことを確認しながら、悠久の時を経て引き継がれたこの「豊かさ」を、損ねることなく、次の世代へ継承したいと私たちは考えています。
海では養殖版の環境認証「ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産物養殖管理協議会)」取得を目指し、すでに取得が実現したFSC(Forest Stewardship Council森林管理協議会)と合わせ、海と山の二つの国際認証を取得した世界で唯一の自治体となり、世界に誇れる自然環境が豊かな街の証として示すことができると考えています。