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(文中敬称略)
「スターバックス・コーヒー・ジャパン」は、全国に展開する店舗で地元産の素材を積極的に採用するほか、FSC認証製品を活用していることで知られる企業です。南三陸杉がFSC認証を取得しようとしていることにも関心を持っておられましたが、認証取得後、さっそく社員の皆さんが南三陸町を訪れ、森林の魅力を直に体験するプログラムが実現しました。
FSCジャパンの協力・監修をいただく「チェックツリー・ツアー」。その名は、木にチェックマークを付けるアクションをデザインしたFSCのマークにちなんでいます。今回は南三陸町観光協会の企画・協力のもと実施されました。
11月18日、オリエンテーションとおなじみの「さんさん商店街」での昼食のあと、参加した20名の社員の方々はさっそくFSC認証を受けた㈱佐久の山林に入りました。あいにくの小雨まじりの天気ではありましたが、それがより杉の発するエネルギーを感じさせる中、しっかりと間伐や枝打ちの手を掛けられた森林の中を行きます。
そしていよいよ、㈱佐久の作業員に導かれ、参加者は3班に分かれて間伐体験に。作業員がチェーンソーで伐倒するのを見、大木が倒れる音を間近で聞きます。そのあとは各自が手鋸を代わる代わる動かして間伐を体験します。
森を守る仕事に参加する得難い機会となったことでしょう。 山から下りると今度は、製材会社丸平木材㈱を訪問。FSC認証のCoC認証(加工・流通段階の認証)を取得した同社で、認証林の杉が木材へ、そして製品へと形を変えていく流れのキーとなる過程を見学しました。
さらに、スターバックスの社員の皆さんが毎日触れているものの源泉へと、ツアーは続きます。 実はスターバックスの店内の看板には南三陸町内で制作されているものがあります。その工房「フロンティアジャパン」を視察し、製品化の現場を目の当たりにし、より南三陸の木材を身近に感じたようでした。 その夜は、山間にある「南三陸学びの里いりやど」に宿泊。お風呂と心づくしの料理で疲れを癒しました。
二日目は、町から下って海へ。前日とは全く違った景色の中で、実は海も山と深く繋がっていることを船上での獲りたて牡蠣、ホタテの試食などの体験を通じて実感していただきました。
昼食は農漁家レストラン「慶明丸」へ。震災のあと津波で流されたシンボルのブイが遠くアラスカに漂着し発見されたエピソードで知られるこの食堂で、ふたたび獲れたての魚貝類をたっぷりと堪能した参加者の皆さん。普段過ごしている都会ではなかなか味わえない、自らも自然の一部として生かされている感覚を満喫して、まとめの会へと移っていきました。
TEXT:実行委員 佐藤太一